お母さんは魔女

娘は私のことを魔法が使えると思っている。
詳しく言うと、魔法の目を持っていると信じている。
そして魔法のことを他人に知られてしまうと、
もう二度と魔法が使えないということになっているので、
娘が魔法の話をするときは小声で、二人だけの秘密だ。
例を挙げてみよう。
昨日、娘は無印ソファの陰で鼻をほじっており、
取れた鼻くそを手の中に入れたままにしとったわけ。
(汚い話でスマン。しかし子供っちゅうのはこういうもんよ)
それで私は「鼻くそ、ほじってたやろ。ゴミ箱に捨ててきて。」と言ったら、
「鼻の中を掻いてただけ。鼻、ほじってない。」と答えるわけさ。
「いーや、お母さんは全部知ってるで。早よ、捨てておいで。」と。
そしたら寄ってきて小声で「また魔法の目で見てたん?」ですよ。
魔法なんぞ使わんでも、アンタのしてる事なんて丸分かりだわ!
当たり付きの棒アイスを食べるときも、
例えば箱入りを買ってきて10本入りだったとするやん。
2〜3本食べてまだ当たりが出てないとしたら、
残りのどれか数本は当たり棒なわけ。
(当たり棒には点数が書いてあって、10点集めて送るねん)
ほんなら大体分かるやん、当たりはコレちゃうかなって。
それで娘に「これ多分当たりやで」と言って渡して、それが本当に当たりだったら、
「お母さん、すごい」=「魔法の目で見たからや」となるわけよ。
確かに私は勘が鋭いほうだと思うけどさ。